ヨーロッパでつい最近まで使われていたものとしてフェンフルラミン
があった。セロトニン受容体に直接作用して脳内のセロトニン濃度
を高める事により食欲を抑制する作用がある。アメリカでも1996年
に許可が下り出回った。しかし、1997年、心臓弁膜症と肺高血圧
を誘発する危険性を指摘され、FDAの要請により市場から回収さ
れた。なお、日本でも2002年に、このフェンフルラミンや甲状腺ホ
ルモンの混入した健康食品が、インターネットや口コミを通じて出
回り、健康被害を引き起こす例が多発して社会問題になった。体
重を減らす為に安易にこのような痩せ薬が混入した「健康食品」と
称すもの(多くは成分記載虚偽)を服用すると、健康を害するだけ
でなく命まで失ってしまうこともある。
また、近年EMEAやFDA、厚生労働省により承認された痩せ薬の
多くは中枢神経系に作用する薬物であり、したがって、これら痩せ
薬は少なくとも日本においては、本来医師により処方されるべき薬
物であり、実際に日本で承認されているマジンドールは処方せん医
薬品である。しかし、日本においてはマジンドール以外の薬物は承
認されておらず、かつその適応基準は非常に厳格に設定されてい
る(後述)。現在EMEAあるいはFDAに認可されている痩せ薬はBM
I≧30の高度肥満症であるか、BMI≧27でかつ2型糖尿病や脂質
代謝障害等の基礎疾患を有している人が投与対象である。
特に、日本における投与についてはBMI≧35または70%以上の肥
満度の高度肥満症であること(マジンドールの適用基準)が前提とな
っており、一段と厳しい基準を課している。以上のような基準を満たさ
ない人は、痩せ薬の本来の投与対象で無いため、医師による処方は
なされないと考えてよい。